エジプト ヨルダン イスラエル

中東旅行記

2005/12/17 ~ 2006/01/02

目次


目的地探し

久方に3週間ほどの休みが取れたので、知り合いのいるコスタリカに行くのを狙っていたのだが、休みの確定がいつものように、出発2週間前。アメリカ人の X'mas 休暇パワーに負けて発券は無理だった。
代案はミャンマー&タイ、ハワイ、パース・・・と考えたが、結局うまくエジプト
直行便が取れたたので、いつかは行こうと思っていたエジプトを17日間で周ることにした。

<計画と実績>

当初計画はこんな感じでエジプトを周遊して終わる予定だった。 カイロ→アスワン→アブジンベル→ルクソール→ハルガダ(紅海でダイブクルーズ) → ヌエバ(イルカと泳ぐ) → シナイ山 → カイロ西方砂漠 → カイロ しかしながら 以上でかなり日数が浮いたので、途中、飛行機に3回乗りイスラエルとヨルダンに入り、以下のような実績となった。絶えず移動しまくりで、若干疲れたが、色々と出来て満足。 12/17(SAT) 成田14:25 21:45カイロ着 宿へ(お迎え) 18 ギザのピラミッド → オールドカイロ → 夜行電車20:30でアスワン 19 アスワン周遊 20 アブジンベル&アスワン → ルクソールへ(電車) 21 ルクソール西岸 → 東岸 22 → シャルムイルシェイク(飛行機) → ダハブ(バス) 午後紅海ダイビング 23 ダハブでダイビング 24 Stカトリーヌ(ツアーの片道) → シナイ山日没 25 → アブ・ルディース → スエズ → カイロ(ミニバス3つ乗り継ぎ) 26 カイロ考古博物館 → アンマン(飛行機) 27 マダバ → Mtネボ → カラク → 死海 → ジュバック → ペトラ 28 ペトラ → アンマン 29 → 国境(タクシー) → ジェリコ (バス) → エルサレム(タクシー&バス) 30 → ベツレヘム(バス) → アンマン(バス+タクシー) 31 → ジェラッシュ → アンマン → カイロ 1/1 カイロ(イスラム地区) → 18:05発日本へ 1/2 12:55 成田
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省察

自分のしていること されること

脚下 照顧
観光立国のこの国で、観光客はカモ。いたるところで光る目。あらゆるサービスを受ける際にはだまされないように気をつけなければならない。相場を調べ、現地の人の払う金額に注目し、言い争うことや警察を介入させることに抵抗を持たなくなる必要がある。こういう日々には疲れる。

しかし、そういうエジプトに文句を言う個人旅行者たちも、偽の学生証を作ってエジプト政府を騙す。奴らと同様、悪びれもなく。過去の栄光に敬意を払うならば、遺跡の発掘と保全にかかる費用にも敬意を払ってほしいと個人的には思う。

貨幣の意味 経済格差

エジプトに限らず、物価の低い国では日本人はぼったぐりの対象。だから、旅人との会話は、よく「何をいくらで買った」議論になる。現地の人と同じ値段で買い物をするには、相場を知った上で値引き交渉、の枠を超え、大なり小なりの言い争いが必要になるケースが多い。強い旅人たちはそれを繰り返す。勝ち負けの世界が垣間見える。

このおやじとも喧嘩したりしなかったり
一方、現地相場よりずっと高い値段でも、日本の相場しか知らないために、言い値でお金を出してしまう人もいる。こちらは強い旅人から言わせると、旅行者相場をあげる迷惑なやつらである。そして、観光客にふっかけることでお金を楽に稼げるという現象があるのは、地道に働く人に対して良く映るものではなかろう。では、前者がよいのだろうか。

お金というものが、物々交換を容易にするために登場したものであるという観点に立ち戻って考える。そこに介在するお金というものを抜いて、我々が彼らから受ける労働量とそれを受けるために日本で働いた労働量を天秤にかける。これをすると、彼らのしてくれたことへの対価として自分のしたこと、それが生み出したお金=現地での大金 を差し出す行為が自然なものに感じられる。

ヨルダンのマダバというところで、モザイク絵を作成販売しているお店に入った。手作りのモザイク絵がなかなか素敵だったので、値段を聴くと 5000円程度。こちらの物価としては高いので、とりあえずまけてよと言ってみたところ、「何十年とこの仕事をしてきて、人を教える立場の私が、丸三日かけてこれは作ったんだ。この金額を稼ぐために、君は国でどのくらいの時間働いているんだ?」とその職人に言われた。彼の苛立ちは至極自然で、言葉がすぐに返せなかった。

これは端的な例としても、何かを買うときには、相手の労働に対して尊敬の念を持って、現地相場からは大きく外れない範囲で(そのお金でその国ではより大きな労働を買えてしまうのが問題だと思うから&心情的に)それなりのお金を払ってもいいと、私は考えることにした。

金額交渉は、消耗しない程度に、後味が悪くならない程度にケンカする。
お互いが幸せになるための、サービス。どの国に生きる人も、どうせなら幸せに生きたいと思っている。

旅のデータ、予算など

為替レートのおよそ(2006/1 現在)
エジプト 1£ ≒ 20 円
ヨルダン 1D ≒ 160 円
イスラエル 1NIS ≒ 25円

旅で主要となる宿&食べ物&交通 の物価は感覚として日本を100とすると
エジプト 20
ヨルダン 25
イスラエル 40
が、外資系高級サービスや観光地への入場料はまったく別体系。欧米に近い。

<交通>

飛行機

エジプト航空直行便
成田 <-> カイロ 航空券 \94400 + 空港使用料 \2040 + 現地税 ¥2000 + 航空保険料+燃油チャージ ¥8600 = 計 \107040
カイロ <-> アンマン 航空券 1900£ ≒ \38000
ルクソール → シャルム・イル・シェイク 航空券 540£ ≒ \11000

直行便かつ年始 1/2 帰りなのに安かった。土曜発だが、そこそこ空席あり。前方はトヨタカップ帰りのエジプトの国民的サッカーチーム、アルアハリのチーム団で締められていた。一部納まらなかった選手がエコノミーに来ていたので、私のすぐ前の座席まで選手団だった。エコノミーとはいえ、前の席を倒して、1人で2席分使ったり、食事の回数が多かったりと優遇はされていた。乗客の記念写真責めに気前よく応じていた。旅行中エジプト人に「日本から来た」というと「サッカーの試合やったよね」とすぐ返ってきたことが多かった。テレビでもよくやっていたので、サッカーはエジプトでもかなり人気のようである。

エジプト航空はイスラム圏だけに、アルコールは飲めない。が、マンゴージュースやグアバジュースはかなりうまい。中東の紙パック果汁ジュースは総じてうまい。食事は選択肢が乏しい上にあまりおいしくない。行きは日本食の二択、帰りは魚の一択だった。一応「Fish?」と聞いてくるのだが、返事より前にトレーが手渡されるのであった。
個人テレビはなく、中央映写機も色がおかしかった。一応ハリウッド映画が流れたりする。

現地の航空券は現地で手配。エジプト航空オフィスに直接行ってそれぞれ前日、当日の手配だったがスムーズにできた。
ルクソールの宿で航空券いくらするか聞いたら電話確認ののち、明らかに高い値段を言われたのでおかしいと思って、直接航空会社に足を運んで聞いたら半額近い値段で発券できた。この国でものの相場を知ることはかなり重要である。

機内設備説明に登場する人物がかなりイカしている。

電車

エジプトでカイロ→アスワン の夜行として、高級とされるワゴン・リーを予約した。初日の移動なので日本で予約。が、ホームページから予約しても返事なし。電話で予約した。が、当日行くと話が通っておらず「席はない」の一言。文句を言い倒したらようやく、後発の電車に席をくれた。侘びの一言もなく、その対応は最悪。
車両はドイツで乗った通常夜行とまったく同じ。一応洗面台もあるがトイレも綺麗ではないし、ご飯も機内食をまずくした感じで、高級からはほど遠い感じ。"ワゴン・リー"ブランドに期待すると泣く。これで $55 なのが信じられず、席が間違っている?と聞いてしまったほどだ。温度調整ができるのはありがたいが、コストパフォーマンスを求めるなら現地の寝台列車の一等車両に乗ることをお勧めする。

あと、アスワンからルクソール移動に使用した。2等車両2時間の行程で20£。綺麗ではないが広くて十分快適だった。バスより早いし駅も街の中心にあって便利なので利用価値大

バス&タクシー

バスは安移動の基本だが、本数は限られているし人が集まらないと出発しなかったりで、時間はかなりかかる。
乗り合いのミニバスを使いこなせるようになると安く細かく移動できるようになるが、タクシーの安い国なので、時間を大切にするなら細かい移動ではケチらずタクシーを積極的に利用したほうがよいだろう。どこでもタクシーはまずぼってくるので相場を事前に調査する必要あり。メーターで行ってくれることはあまりない。相場が分かっていればさっさと降りてぴったりの金額を渡すが吉。釣りは簡単には返してもらえないことが多いので細かいのを用意しておこう。声をかけてくるドライバーはまずぼってくるので、流しのタクシーを捕またほうがよい。
イスラエルで大きいバスに乗ると各所にあるチェックポイントで乗客のパスチェックがはじまったりで時間のロスは大きいので要注意。また、ジェリコからエルサレムにはバスでは行けないなどの約束事もあるようだ。


<宿>

エジプト

40£くらいで汚くない程度の個室が取れる。宿の数に対して観光客が減っているので予約しないと困るケースはまずないだろう。そして、値段交渉で10%ほど安くなる印象。お勧めはInvitation Hotel 新築なのでとても綺麗で、バスタブつきでお湯も熱いのが出る。オーナーも押しの弱いいい人。
ダハブの安宿ではシャワーが塩水だった。要注意
シナイ山はStカトリーヌ寺院付属の宿に泊まった。X'masイブというのに人は少なかった。サービスも部屋も普通のホテルっぽすぎてつまらない。ここではシナイ山頂の宿に泊まって夕日&朝日を拝観するのがベストだと思う。

ヨルダン

エジプトよりは物価の分、少し高いが 10Dくらい出せば暖房つきのところに泊まれる。 冬は日本並に寒い。ある宿では暖房があったものの窓が透かしていて本気で凍えた。毛布を余計にもらうなどの自衛が必要。

イスラエル

物価は高い。年末のハイシーズン料金で普段の2倍。100NIS からと高かった。フルーツジュースも高いのでおいそれとは飲めない(ザクロジュースにエジプトの10倍の15NISふっかけられたりした)

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