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中国雲南 虎跳峡 香格裏拉

Day3 虎跳峡 トレッキング
Day4 虎跳峡 トレッキング ~ 香格裏拉


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Day3 虎跳峡 トレッキング

麗江から虎跳峽 へ

本当はこの日に玉龍雪山にいく予定にしていたのだが、ロープウェーの到着地点はなんと4500mにも。ネパールで4日かけて登った4300mでも気持ち悪くなったのだから、今既に半分の高度で自覚症状がある自分がどうなるか目に見えている。
よって、この予定はカットして次の目的地の香格裏拉(シャングリラ = 旧称 中旬)に向かうことにした。ここも3300mあるので気分が悪くなったら夜に退散できるように麗江からの一番バスを捕まえることにした。

七時に宿をでるときにはまだ真っ暗で人の気配はほとんどない。
一般車の入らない旧市街を抜けてタクシーでバスターミナルへ。
意外にもバスのチケット売場の人が英語を知っていたのでチケットは楽に買えた。7:30出発。

玉龍雪山の裏側、”切り立つ山に急流の河”という組み合わせの虎跳峽 という景勝地がその道中にあるのでちょいと途中下車して立ち寄ることにした。

ミニバス内はタバコを吸う人でいっぱいで気分が悪い。怒った西洋人が吸う人の横に行ってその窓を開けるもまもなく閉められ効果なし。バスの通路はタバコの灰やらピーナツのかすやらですこぶる汚い。

バスはこのような河沿いを行く
二時間ほどで虎跳峽の入り口に着くがそこからどうしてよいのかいまいち不明。バスと馬を薦めてくる現地人がいる。流れの速いポイントの近くまで車で行って川沿いから見るコースとトレッキングをして上から見るコースがあるようだ。上を行くと一日掛かりになりそうだがいかにも魅力的。

旅は道連れのトレッキング

先ほど怒っていたアメリカ人とタイ人のカップルもは上を行くそうで、彼らの持つ情報紙によるとビューポイントまで2時間とある。現地の管理オフィスでもらった地図には5時間とあるけれど、2時間に違いないと信じて、彼らとそこまで一緒にいって戻ろうと決める。

アメリカ人の彼は私が日本人だというと「ワタシノナマエハ"タカシ"デス」と知ってる日本語を適当に言ったなと思ったら、彼は本当にタカシという名前の Japanese/American ハーフだった。とはいえ、彼は15年前に US の日本人学校を出てからは日本語を使ったことがなくもうほとんど覚えていなかった。
US で出会ったそのタイ人女性のふるさとであるチェンマイに大学を出てから一緒に住むようになったとのこと。昆明で二人とも仕事を見つけることができ、その就職面接を絡めて旅行をしているとのこと。


急勾配の下に河
宿
頂上まで馬に乗れと現地の人が誘いかけてくる。120元。しかし、すこぶる元気なので断る。この後彼らは3時間我々の後をつけてきて、たまに道を教えたりしてくれた。タイ人女性は山登りに慣れていなかったので、いざとなれば使えるとそれなりに頼りにしていたのだが、昼食時にもう1度勧誘したあとしばらくしてあきらめて帰って行った。我々はいつかガイド料を請求されるに違いないと思っていたので慎み深さを感じた。ここでも雲南スタイルだ。

道の途中にたまに飲食物を物を売る人がいる。中にはガンジャをどうどうと売っている人もいた。公安絶対にこなさそうだしな。

結局ビューポイントまでは3時間弱。10:30に歩き始め、ランチにゆっくりしすぎて既に14時になってしまっていて、今更引き返す気にもなれず、また、景色も予想よりずっと楽しめたので、もう今日は道中で一泊して、トレッキングフルコースを楽しむことにした。静かな夜をおいしい空気とともに味わう機会も貴重である。東西を高い山に挟まれているので日の出日の入りは期待できぬが。

虎跳峽トレッキングの面白み ~ 旅の楽しみ

このトレッキングは、村の感じ含めて(そこそこ物理的にも近い)ネパールに似ていると感じた。途中でヤギや馬に遭遇するのも一緒。ネパールより手軽で木が少ない分、オープンビューを楽しめる時間が長かったのはよいし、山頂から川までの3000mの絶壁的山壁は圧巻である。高山の多さと高さはもちろん劣るが、1~2日で特別な装備不要でできるこの手軽さにしては相当よい場所と思った。


我々は結構写真を撮ったりしながらスローペース(それでも標準タイムより速い)で歩いたのでスペイン人カップルとスエーデン女性二人組に抜かれた。

宿に着いたのは結局17時頃で、抜いていった人たちも全員そこにいた。昨日から続けて歩き三昧だったのでさすがに足が棒だ。

私だけ独りなのでドミトリに部屋を取る。20元。食事も古城より安く、このロケーションなのにとびっくりした。ごはんもおいしかった。宿泊客は皆、こんなところを個人トレッキングしているだけあって相当の旅好きと山好きばかりで、話はつきることなし。 明日は朝を一緒に食べて一緒に歩こう、と時間を合わせて眠りにつく。

星空に見守られながら(詩人ポイント3消費)

宿からの絶景

Day4 虎跳峡 トレッキング ~ 香格裏拉

トレッキングを終えて皆で香格裏拉を目指すが

予定通り7時起き。予定通りに皆でご飯を食べる。私は桃の入ったパンケーキを頼んだつもりだったが、桃だとおもったらくるみ(胡桃)で、ちょっと期待はずれ。ご飯がでるのが遅かったのもあり、8:30のスタート。ほぼフラットな道なので快調にとばして10時には車の通る下道にたどり着いた。

シャングリラのバスより 各所で開発が進んでいた
道にてちょうどこの7人が乗れるワゴンに拾って80元をシェア。道は悪く砂まみれ。スピードは出ないが30分ほどで出発点に戻る。出発地点で不要な荷物を預けられたらしく、4人はそこで荷物を戻す(他、麗江に置いてきたのが2人、私だけが全荷物をしょってのトレッキングだった)。

当初は、私も含め3人だけがシャングリラに行く予定だったのだが、皆も乗り気になって全員で向かうことに。ローカルバスは最低一時間に一本あるはずだったが、なかなかこない。ワゴン車を持っている人たちが寄ってきて、一人30元で連れて行くという。バスは誰かの情報では20元らしかったが、彼らは20元は嘘だし、30元はいい値段だと言う(結果はローカルバス25元だったので彼らの話は正しかった)。

どちらにせよ一時間に一本のバスで空席があるとも限らない。汚くうるさく煙害もあるバスを待つなら10元だろうと上乗せして皆で行きたい派が、私含め3人。残りはそうではなく、彼らが勝つ。結局1時間半待って、3席だけ空席のバスが着たので、私とスエーデンカップルで先にゆくことに。

新市街。ごく普通の街
複数グループで旅するとよくこういうジレンマに悩まされる。持っている時間とお金とトラベルスタイル(「ぼったくりにおいしい思いをさせたくない」とか「現地の足を使うことが旅の味わい」だとか、誰かが「自分がお金を出すからチャーターしよう」といって収まる問題ではない)とが、皆ばらばらなのでしょうがない。こういう経験もまた旅の面白味と思って時間を無駄にしたという考えを消す。

理想郷 Shangri-la ではなかった香格裏拉

シャングリラへは登りの道。だんだんと雪が目につくようになってゆく。道には牛、豚からヤクまで色々歩いていた。 バスの乗客でスエーデン人を道中ずーっと見ている人がいてちょっとこわかった。ホンモノの金髪女性がそんなに珍しいか。

途上は牧歌的でユートピアの名称を掲げるこの街に期待させられた。


雲南のポタラ宮殿 松賛寺
しかし、着いた場所は普通の中国の地方都市の模様。今や人口13万人の空港を持つ街である。地方政府が地名を変えて観光客を集めようとした瞬間に、ユートピアだったその場所は消えてしまったようだ。 スエーデン人二人はラサへの電車に乗る都合上、この後すぐに四川省の樊枝花市(パンソワ?)に行かなければならなかったので、先にそこに向かうバスチケットをおさえておきたいという。英語が通じないので私が筆談係になる。だが、どこかで聞いたらしい情報(=シャングリラから近く、直行便多数)と違って、一日一便の12時間夜行のものだけだった。しかも暗い朝5時着。さんざん悩んで、彼女らはその途上にある麗江まで一度戻ることに。ということで彼女らはシャングリラの街を一歩も踏みしめずに帰って行った。情報は重要だ

そんなやりとりを見ていたイスラエル人が私にまた通訳係を依頼してきたので引き受ける。

ようやく街に出たのは15時。とりあえず外せないと言われる松賛寺にバスで。バスは3路線しかないようでわかりやすい。
ここは雲南のポタラ宮殿と呼ばれているらしいが、まさにそんな感じであった。しかし、読経中の僧の相当数が、観光客をちら見やガン見していて、なんだか集中していない。日本の修行道場の方が断然厳かだ(まあ、あれは限定一年だから、家の跡継ぎのためとかいう動機でやってもできているのだろうが)。

それらしい街並みの場所
古城と呼ばれる、古来からの街並みのある地区も、なんだか作り中の建物といかにもそれっぽく作られてはいるが実は新しいと思われる建物ばかり。同じ路線で言うなら麗江の方がまだ自然。桃源郷の面影はオフシーズンのこの時でさえあまり感じられない。 どうしてもチベット以外でチベットを感じたい人以外に薦める要素が見つからず。
(これからチベットを横断しようとしているスエーデンカップルには見る価値なかったので安心して、とメールを送った。が、その後ラサが反政府運動で大変なことになるとは・・・)

朝一緒だった人たちと一緒に来れていたら晩餐を楽しんで、翌日は車でもチャーターして郊外にでも というところだったが彼らには会えなかったし、旅人の姿はあまり見えず、一緒に行ってくれる仲間も見つかりそうにない。そして、夏でないと郊外の景色もいまいちの予感がしたし、高所の影響で頭も痛くなってきていたので、予定を繰り上げて夜行バスで大理に向かうことにした。

ここは松茸の有名な産地なので、おみやげに購入。大量に入って36元。高地なので、売られているスナック菓子の袋がみんな破裂寸前なのだが、この乾燥松茸の袋はそうではなかったので本当にローカルで作られたのかなと安心したり。

大理までは標準7時間。バスは 19:30発。深夜バスのスピードは遅く休憩も多い運行であった。
夜行バスはベッドになっているが、背の高い私には微妙に小さい。この微妙が重要で、どうしていても体のどこかに無理がかかる。車内でタバコを吸う人や大声で電話やおしゃべりする人多数。お互い様でいいのかもしれないが、少しは配慮の心とかないのかと思うのであった。しかし、村の気配もない真っ暗な田舎道がずっと続いているのにとぎれない携帯電話もすごいと思った。よほど基地が多いかはたまた強大な電磁波が使用されているのか。

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