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中国雲南 昆明
昆明に到着。
昆明は道がわかりやすい上に、バス停は各路線の停車駅が書いてあるし車内放送と掲示もあってバス利用が楽。難なく目的の宿に到着。今まで20元で個室に泊まれていたのから4人相部屋のドミトリーが35元の世界に。やはり都会は高い。
荷物を置くとさっそく黒龍譚公園に行ってみる。
黒龍譚公園でがっかり
そこそこ長くバスに揺られる。バスの中ででっかい音で音楽かけていたりゲームをしている人を見ると、日本でのヘッドホンから漏れる音や通話など・・・という気にさせられる。
道中、大量の人が鉄格子の前に群がり、まわりは車が縦列駐車がずらっと並ぶただならぬ光景を見た。何事と思えばそこは学校の門で、下校を迎えに来た人の群のようだ。子供は厚く保護されているのかな。
さて、公園は梅が大量に植えられていることで有名。梅の花を街で見ることがあったのでさぞかし綺麗だろうと思って行ったのだが・・・まだ全然咲いておらずがっかり。
もう一つ有名なのが2つの連結池。つながっているのだが2つの水の色が見事に違っていて住んでいる魚も違い神聖な場所とされているとのこと。
確かに色は違う。が、2つの池の連結部分は飛び越えられるような細さなので、水が交わらなくてもしょうがないかなというレベル。そして水質の違いも想像より劇的ではないし魚も少ないなあなんて思ったのだが、後日たまたまニュースで、この池で異変が起きたというものをを見つけた。
見事に梅が咲いていない
抜粋
「このほどの水質の変化により、水底の石やコケがはっきり見えるようになった」
「池にいたニシキゴイなどの観賞魚が次々に死に、2月6日から10日までの間で死魚は計3トンに達した」
のだそうな。それほど大きい池ではないので3トンはすごい。一ヶ月早く行っていればと思うとちょっと残念だ。
わかりにくいが水の色の違う二つの池
夜はアジアの都会にしては早い
街に帰ると食堂は閉まり始めていた。朝がとても早いわけではないが、21時にたいがいの食堂が閉店してしまう。省都といえどとても夜が遅いわけではないようだ。大連でも夜遅くなると食べていた路上の焼き鳥を食べる。うまい。大連よりおいしくマニラより劣る感じであった。
ドミトリの同室の男性が数週間に及ぶ風邪を引いており、一晩中咳をしていた。嫌な予感(予感どおり帰国後風邪を引いた)。
Day7 昆明 大観公園、西山森林公園、街
なんだか怪しいミッキーたち
脳内突っ込みしまくりの公園と街歩き
本日は初めての本格的な雨。そしていつものように腹痛の時期がやってきた。動き続けてきたのでそろそろ旅疲れが出てくるが、もう旅程も短いので突っ走ることにして本日も朝から活動。
まずは市内端にある大観公園へ。遊園地が併設されており、なかなか観察が楽しい。ミッキー達のお出迎えもあり。
中国の街景色はつっこみどころが多すぎて、とても記憶しきれない。一人旅では脳内つっこみに留めるしかなく、消化不良になってつらい。
この公園から西山森林公園に船が出ているというので、乗り場に。
船には2種類あって、味気ない船が40元。雰囲気ある方が60元。地球の歩き方に書いてある値段は10元。雰囲気ある遊覧に興味はなく移動したいだけだったので安い方を選択。しかし、チケット売りは60元を買わないとだめだ風のことをしつこく言ってくる。
高い方に乗らせたいだけだろうと思ったが実際はそうではないことが到着時に判明。値段表には書いてあるのと違い、40元の船は一カ所、雲南民族村にしかいかないのであった。
船頭に西山公園への行き方を聞くとロープウェイを指さす。その出発地点と思われる方に歩き出すと違う道を指さすので、おかしいなと思いつつ従ってしばらく歩くと着いたのは民族村入り口。なめんなよ。付近には中国人や民族衣装を着た人たちが10人くらいたまっていた。70元という入場料についてもめている感じに見えた。私はリアルテーマパークに興味持てず改めてロープウェー乗り場を目指す。
もしもし ホースが見えていますよ
父母とあるがどう見てもおじさんとおじいさん
登竜門
ロープウェイを乗り継ぐ。40元。
やっとこさついたここの名物、龍門(「登竜門」という言葉の語源がここ!)はそれ自体はちゃちめ。
しかし、ロケーションがすごい。切り立つ崖によくこんなものを作ったものだと感心する。龍門をくぐると岩を70人が22年かけて削って作ったといわれる石窟がすぐ横にある。これもその数字を知ると感慨深いものがある。(逆に、知らないと素通りしてしまうかも)
西山公園の頂上まで行き、カルスト地形のミニ石林のようなところを眺めて降りる。街に下りつつにある歴史あるお寺、華亭寺、太華寺を見る。どちらも味のあるよいお寺だった。

右上:龍門石窟 左上:太華寺 右下:華亭寺 左下:街中の古い町並み
街に戻って繁華街へ。
土曜ということもあろうが、予想通りおそろしい数の人がいる。どこもかしこも渋谷のメインストリートといった感じだ。その中に突然崩壊寸前の家が並ぶオールドストリート的なものがあった。しかし一階は標識等作成する店の他はゲーム用品や合成写真作成の店が多くなんだかアンマッチ。
いくつかの店で超無駄に思えるバイトを見た。店の前で音楽に合わせて永遠に手拍子をするバイト。どこで見ても男女二人組でグルーブ感ゼロ。機械的で、かえって入る気が失せるのではと心配。
帰国時期が定まったので帰路のフライトを手配しようとする。
自分の泊まっていた宿で望む時間のフライトが手配できないというので旅行代理店で帰りのチケットを買う。香港行きは高いと言われて帰りもまた深圳経由にした。全込み830元なり。行きの昆明乗り継ぎ麗江行きより高い。
とある寺の風神!
はいいとして、雷神はこれでよいのか?
やはり雲南は長期旅行者ばかり
帰りがけに同室の人にと咳止めの漢方を買ってくるも、彼はチェックアウト済みだった。その代わりになんだか途方もなく長く旅をしている、という日本人がいた。タイからあがってきているとのこと。そのスタートは2年前という・・・。
といっても、アパートを借りて中国語を勉強したり日本人の通訳ガイドをしたり、定住的生活もしており、帰国もたまにしたというので、長期旅行とは違うかもしれないがそれでもすごいものだ。
彼曰く、中国の有名な観光地はテーマパーク化していてどこもさして日本人にとっては面白くなくなっているとのこと(そして、有名でない場所は中国語のせめて標準語がわからないと観光が厳しいとのこと)。
同感。中国の楽しみ方は日常的な物価の安さの恩恵を受けつつ生活することだと言う。それはそうかも。
私もこれから始まる香港生活を楽しみたいものである。
Day8 昆明 石林、九郷風景名勝区
石林 芝をまわりに植えなくてもと思う
ストレスの多い有名観光地周遊
石林とで普通1日ずつツアーするところを1日で回る宿が主催するツアーに参加。交通+ご飯で140元。ご飯といってもらったのは朝のたまごを挟んだパン1枚のみ。むむ。ランチがつくのかと普通思うだろうがそれはなく、8:30~19時までぶっ通しのツアー。入場料が別に、それぞれ140元と90元帰りのリフト使用はほぼ必須なので実質+30元という、総計で相当の値段であるが、昆明にきてこれらをはずすのもなんだし、かといって二日かけてじっくりみたいほどでもない自分にはちょうどよいツアーだった。
留まったユースホステルはユースには珍しく国内旅行者が半分以上という感じだった。ツアーも6人参加で4人が中国人、1人フランス人。ガイドも英語がしゃべれなかったが、参加者の一人が通訳をしてくれて助かった。
ちょっと中心を離れた場所
石林はなるほど写真で見たまんまを楽しめる感じである。感激をすることもないがそれほど悪くもない。ただ、中心部は整備されすぎていてワイルドな迫力がスポイルされてしまっているのがとても残念。
また、通りは狭いのに人がたくさんいるので動くのにストレスがたまる。人が多いだけでなく、なんというか、道を譲るとか譲られてお礼をいうというような文化がないのもストレスの原因。ないならないでまだいいのだが、身内(と車内でのお年寄り)に対してははそういう概念があるのに・・・。自分たちさえ先に行ければ、自分たちさえいい写真が撮れればいいのか と随所で思わされる。
観光時間は3時間。メインポイントでおよそ2時間弱過ごした後、公園の郊外へ行くとそこは別世界。大きな石柱は少ないが、畑が広がっていたり民家が隣接していたりの道を越えるとカルスト大地が広がる。観光客が皆無で散歩を楽しめた。周辺部の散策にもっと時間を確保すればよかった。園内は広く、私の行った東端から出口まで45分歩いた。
戻るとすぐに九郷風景名勝区へ向かう。途中、石林駅の前でやはりカルスト大地の場所で大勢の人が闘牛観戦していたのを見たりしながら。
九郷風景名勝区は洞窟で有名。こちらも洞窟内が整備されすぎている印象。巨大な天然ドームは改装されまくって各種展示場や化石売り、コンサート会場などになっていたり、写真撮影屋がたくさんあってうるさかったりで、大自然の営みを味わうという雰囲気になりにくい。規模の大きさや造形美には感銘を与えるだけのものがあるのに少し残念。
しかし、出口付近でもないのに洞窟内でタバコを吸っている人が何人もいたのには閉口。煙がたまっている。など、先に観光を終えて皆の帰りを待ちながら、フランス人と色々愚痴ってしまった。他の観光客から受けるストレスも含め、トータルとして、もうなんだか中国の観光地はそれほど楽しめないという印象がまた一段と深まる。
石林駅前 わかりにくいが中央部に大きな水牛
ここの観光時間2時間半で十分だった。帰りにリフトを使わないとそれなりのトレッキングか馬乗りに時間がかかりそうであるが、個人で来ていない限りその選択肢は時間的制約にひっかかり取れないだろう。そして、個人で来るのは結構面倒くさそうだった。
交通事情からわかる匂う中国文化
帰りは渋滞。4レーンに6列で車が走っている。私の見てきた中国各地と同様、車道のレーンは目安の役割のみ。大きな道が一本あって、車はそこに空き場所を見つけつつ縦横無尽に走りまくる感じである。渋滞の先はレーンの減少だったのだが、4レーン→3レーンならスムーズにいくものも、6レーンからならうまくいくはずがない。ここでも譲らない精神が事故を増やすし、スムーズな運行のさまたげとなって全体の交通効率を下げている。他者の割り込みには非寛容でも自分はやっちゃう的な発想は全体最適を目指す中国国家の建前と反する結果を生んでいる。なんとかしたほうがよいと個人的は思うのだが、これも文化か。なくなればそれはそれでつまらないと感じるのかもしれない。
犬料理のお店もよく見た
もう一例。赤信号に変わったのに車がつっこむ。突っ込んできていても容赦なく自転車や歩行者はフライングで動き出してその進行を妨げる。つっこんだ車は止まるしかないが、それが邪魔で青信号になった側の車が進めず大混雑、的な状況をよく見る。普通に待ちあえばなくなろう渋滞を生み出している。信号無視やレーン無視を厳罰にするとかしないといかんのやろな。南寧は路上の痰吐きに罰金を取るようにしたら痰吐き激減したらしいし。
飽きません街歩き
宿に帰ってもまだ明るい。この二つの観光地は車チャーターされていれば、1日で十分観光できるということがわかった。
とにかく腹ペコなので周辺を散歩しつつ食べ歩き。
繁華街から一本はいると路上にロバがいたり、籠に入った猫がいたり、路上でなぜか服が燃えていたり、散歩も飽きることがない。宿に戻ると、宿の近所のローカルでにぎわうマッサージへ。60分20元でかなりまじめにやってくれた。マッサージ師になぜか「子供がいるでしょう」と言われた。いないというと年を聞かれて33と答えると中国ではその年なら子供は二人いるよ普通と言う。日本だってそんなもんだよと言おうと思ってたが二人の子供がいる同世代の友人の顔が二人しか浮かばずに口をふさぐ。
終了後、旅行者(というか半分生活者)とだべって眠る
Day9 昆明 → 深圳 → 香港
饵块(アルクアイ: 揚げパンをお米ピタパン的なものでくるんだもの
予定より3日早く日程を消化して・・・というより中国旅行に食傷になって旅程も最終日。特にやりたいこともないのでチェックアウト。結局アルゼンチンカップルはここには来なかったけれど、そこそこ楽しく快適に過ごせた。それまで一人宿ばっかりだったのでなおさらそう感じた
荷物を持って街に出て野菜マンなどぱくついて空港行きのバスに乗る。まだちょっと早いので適当に途中下車してぶらつく。
しかし、朝のラッシュはひどい。一般車用は2レーンなのに自転車バイク用レーンとバス専用レーンも占拠して4列走っている。それが交差点でスタックを発生させており、徒歩の方がずっと早い様相。
雲南名物のプーアル茶を買い、同じく名物の饵块(アルクアイ)などぱくつく。B級のうまさ。相変わらずお腹は緩い。
銀行をのぞくと金利が定期5年で7%を越えていた。どんなに短期でも4%は越えていてバブルを感じさせる。観光料金の値上げも激しい。数年前の2倍はあたり前で、ガイドブックにある値段は全然役に立たなかった。いつまで続くこの景気。
空港は大きめの国際空港ながら街中から近く便利。バスもがくさんあって1元でゆける。
九郷風景名勝区
空港でまたもストレス
空港では、イースター休暇に行こうと桂林往復チケットも購入しようとチケットカウンターへ。しかし、その公式サイトで調べたところでは、ハッピーフライトと呼ばれる格安チケットがあったので、そのことを言うと、「なにそれ」的な対応。そちらの公式サイトにあったんですがというが、「それならネットで買え」と。ネットは中国の銀行の発行したクレジットカードしか受け取らないから買えない、と説明するがなに言ってるか分からない知らんの一点張り。なにが理解できないのかも言わないので対話に時間がかかる。結局ハッピーフライトという概念もオンラインブッキングの仕組みも知らないようだった。が悪びれる様子はなく知らないと行っているのにしつこいわね的に別のカウンターに行ってくれとの投げ言葉。
チケット発行担当者が自分の会社の提供しているサービスの基本的なところも知らないのもひどいがこの態度はもっとひどい(自分の前の人も何かけんかしていたからこの人が特別なのかもしれない)。
昔インドネシアで同様のことがあった時には、WEBサイトを印刷したものを持っていっており、カウンターで「知らない」と言われてもそれを見せたらその値段でチケット出してくれたが、今回は持ち合わせもないのであきらめる。
他にも身体チェックで中国語で言われたことに一発対応しなかったためにひどい態度をとられたりもう散々である。省都の国際空港がこれかよとげんなりさせられる。
この後、深圳のカウンターでもう一度問い合わせてみた。英語をしゃべれる人がいないのでいる旅行者カウンターにまわされ、その後、中国南方航空の担当に電話でまわされた。そこでもやはりそんなフライトは知らないの一転張り。あなたがじゃなくてそこの誰も知らないのかと聞くが誰も知らないという。ほんまかいな(後日調べるとやっぱりあった)。埒があかないのでもうあきらめるが、取り次いでくれた分こちらの対応がよかった。
見知らぬ人にお金を貸すとどうなるのか
空港を出てバスチケットを買おうとすると、売場で女性が一人さかんに鞄を探しつつ、人々に ID カードを見せて何か訴えている。お金がないっぽい。他の人は知らん顔しているので貸してあげると、銀行カードを見せて後で払うからのジェスチャー。
彼女はバスに乗ると英語のできる乗客を捕まえて通訳させる。通訳曰く、彼女は「もしお金を返して欲しいなら後で払うと言っているけれどさもなくば...」と。まあ戻ってこなくてよいかと思っていたが、好意を向こうから提案されるとしゃくになるのが人情で、「もちろん返して欲しい」と言う。すると、彼女はしばらくして別の乗客からお金を受けとって返してくれた。降りてからその人にお金を返す感じになっていなかったので20元くらいくれてやるという紳士が現れたのだろう。
9日間駆け抜けの旅 終わり!
深圳駅に着く。香港に戻る前に最後の安マッサージを、と足マッサージ60分30元なり。ペディキュアをさかんにすすめられるが爪なんかぴかぴかのほうが恥ずかしい。この感覚は中国では違うのか、マッサージ師の男子の指の爪は輝いていた。あと、顔の染みを抜かないかとの誘い。そんなのをここでやるのは怖すぎるので断ると「ただだから」と薦める。ただなんて余計怖いんですけど・・・。終えてまたイミグレーションを通って香港へ電車で帰る。
なんだか愚痴ばかりになってしまったこの旅行記。もう二度と戻って来ねえぞと言い捨てたい気持ちもありつつ、またこの先何度も来てしまうんだろうなこの国に。。。なんだかんだいって、興味深い国であることに間違いはないのである。