6日目~7日目

~ Day6 熱帯雨林の朝 ~

5:30 頃、Dave に「朝日の写真を撮らなくてもよいの?」と起こされた。
「もちろんだめ」と朝露の中を展望ポイントまで歩く。
その後また転寝をしたりトカゲの観察をしたりとだらだらしてから、
Cuqui Frog に挨拶をして出発。

尻尾の切れたトカゲ
Robin に挨拶にいくと、簡単な朝ご飯を用意してくれた。 「君はここに来た3人目の日本人だ。是非ゲストブックに日本語で何か 書いていってくれ」と言われたので、記載。 これを読める人が来るのは何年後だろう。 Dave とは午前のトレッキング後、別れる予定。 私は彼が既に観光を終えた州都の San Juan へこの日中に行きたかった。 Robin にアクセス方法を聞いたが、公共交通機関に乏しいこの街では乗合バスの パブリコを乗り継ぐしかないという。 それは難易度が高いから車を持ちスペイン語も少ししゃべれるおまえが面倒 見てやれと Robin は Dave に言った。 Dave は最寄の街まで送り、出発を見届けるまですると約束してくれた。

記念撮影左が Robin 親子
Robin と別れ際に Dave がしたように握手をしようとしたら 「日本人は握手の文化じゃないよね。だからおじぎで別れたい」 と言われたので、日本でやるように別れた。 Mt.Fuji 登山を夢見る山好きの彼と、日本での再会を望みつつ。 この宿ではとても貴重な時間をもらった。 ~ 熱帯雨林の山へ2 ~ 山を車で少し上がり、山登り開始。 ハリケーンで閉鎖された公道から歩き始めるのだが、数日前にそれは来たかの ように道は荒れていた。

閉鎖中の公道
滝を目指して進む途中、ダムやトロッコ用レールの跡を見たが、4時間の トレッキング中、人間に合わなかった。足跡さえ見なかった。 その代わりに、無数のトカゲとカタツムリと動物の糞に遭遇した。 熱帯のうっそうとしたジャングルは、実にジュラシックで、探検家気分を 盛り上げてくれた。


山の写真集。左からジュラシックビュー、トロッコ跡、滝
滝に着くとその上を目指して危険なロッククライミングが始まった。 しかし、岩がすべって危険なので適当なところであきらめて、Dave は沐浴。 私は写真撮りながらゆっくり下山することにして別れた。 ~ 再び独り ~ 山を降りると昼過ぎ。 Dave は車で Naguabo という小さな街の広場まで送ってくれた。 Fajordo 行きのパブリコの発着場を探し出してしばらく待つもそれは やってこない。 朝などの繁華時以外のパブリコの発着は気まぐれで、もうしばらくやってこない かもしれない可能性もあったので、私は彼にもう行っていいよと言ったが 「もし来なかったらどうするんだ。他の移動手段がまったくもってないん だぞ」と去ろうとしなかった。 まあ確かにそのとおりで、結局、彼に好意に甘えて Fajordo まで送ってもらう ことになった。 San Juan の近くまで行くパブリコ乗り場で彼と別れた。 感謝の意味を込めて、写真バカの撮った写真を大量に送るよ、と約束をして別れた。 彼と出会って4日目。 一緒に行動したのは 1.5日だったが、ずっと長くいたような気分になって いて少し寂しい。 熱帯雨林という非日常の世界で素晴らしい体験を確認し合える人が横に いたことは、旅は色を添えた。 (旅の後、日本からこれでもかというくらいの量の写真を彼に送った。 彼も写真は好きなのだけれど、今回はカメラが壊れてしまって使い捨てカメラ しかないのだと嘆いていたのもあり、喜んでくれた。) ~ 首都 San Juan ~ パブリコに乗る前に買ったバナナは激しく渋く、バナナの概念を覆された。 たくさんの乗降客を経てパブリコが終点に着くとそこは San Juan のマーケット通り。 ぶらついてから、スペイン時代の町並みの残る Old San Juan までのバスを 見つけて乗る。50c と安い。

バスの少年
それにしてもプエルトリコの人々は皆とても親切。 英語が分からない人は分かる人を紹介してくれるし、困っている顔をして いるだけで向こうから声をかけてくれることもある。 そして、先々で「あなた学生?」と聞かれた。 アジア人は珍しいから(こんなにアジア人を見ない場所は初めてだ)興味を もたれているのかもしれない。 頑としてスペイン語しかしゃべらない主人のいる宿に部屋を取り($25 と 安く、雰囲気がよい)、夜のお散歩。 城壁に沿って海沿いを歩くのは実に気持ちいい。

城壁の外を通る散歩道。猫がたくさんいた
写真を撮っていると、レンズの先に立ってポーズを勝手に取るお姉さんや 「おまえ、写真好きなのか?」と、私の姿を見れば答えが一目瞭然な問いを 発してくるおじさんなんかに会った。 こういうフレンドリーな人が多くて散歩は楽しめた。

油売り中? チャリポリス
若干疲れが出ていたので、街にあふれ返っている名物のサルサのライブを 聴きに行くのは断念して早寝。 この晩もまた蚊に悩まされた。 ~ Day7 Old San Juan ~ この街に登る朝日も見てみたかったのだけれどちょっと疲れていたので 7:30 起床。 OLD SAN JUAN のお城や博物館なんかをめぐった。 完璧な城壁と大砲の門を眺めながら、スペインとアメリカに見つかる前の この場所の姿を想像しようと努めてみたけれど、失敗した。

お城
街はパステルカラーで可愛らしい建物に囲まれていて、異国情緒たっぷり。 日差しは強かったが、相変わらず海風は強く、じっとりとした嫌さはない。 観光地らしく、みやげ物屋が多い。物価はアメリカとほぼ同じ。 アジアのような観光客相手のしつこい勧誘などはなく、ごみごみした感じはない。


San Juan の1シーン
適当に歩いていると PABLO CASALS という文字が目にとまった。 まさか偉大なるチェリスト?と思って近づけば確かに彼の博物館だった。 プエルトリコは、カザルスの母の故郷であり、彼が晩年を過ごした場所なのだった。 中は広くはなく、彼のデスマスクや遺品(チェロももちろんあった)なんかの陳列。 客は最後まで私一人。気を利かせてくれたのか、2階に登ると日本語字幕の ビデオが上映されていた。 チェロの音色はなんとなく南国にマッチングしないな、と思った。
カザルス博物館。右は展示されていたカザルスフェステバルのポスター
その他、だだっ広いばかりで空部屋だらけの美術館や教会なんかを回り、 空港へ向けて出発。 降りるところを間違えると危険というバスに乗っていく。 治安のあまりよくないと言われている地域では、マンションに鉄条網が張り 巡らされていたり、区域ごとに完全に壁で囲まれていたりしてやはり怖い 感じがする。 パステルカラーの可愛い街並み、は観光地周辺だけで、ちょっと郊外に行くと コンクリートの塊にとりあえずパステルカラー塗りました、といった感じに なってくる。 紆余曲折も少量含みつつ空港にたどり着き、フィラデルフィアに。 American Airways は映画上映はするが、音を聞くためのヘッドホンが 5$ かかるという景気の悪さだった。 しかし、故障で音がでないため、払い戻しになっていた。大変だ。 フィラデルフィアはもう5月の終わりなのにとても寒くて、薄着で日焼けの自分が 間違い探しクイズの答えみたいに思えた。 ~ おわり ~

所感~写真~プエルトリコについて