3日目~4日目

~ Day3 魚天国 ~
朝、レンタサイクルの店が開くのを待って、チャリ交換。
今度のは軽快に動き、駆動労力が恐ろしいほどに違った。

今日はひたすら泳ぐぞと最小装備で南端を目指す。
道中、小さな山をまたいだのだが、もう絶景。
幾つかのサボテンが花を咲かせようとしていた。

絶景
着いたビーチも独り占め。 下は砂ではなく珊瑚の破片なので、ビーチサンダル必須。 ビーチサンダルを手にはめて泳ぐと利便性がよいことを学んだ。 そこは、海が急激に深くなるビーチで、10m いかずしてもう水深 3m くらい。 巨大なウニ、フグ、中型の魚などがうじゃうじゃいて、今までのどのビーチよりも スノーケリングに向いていた。 波が荒かいのに足ひれがなかったのであまり沖にはいけなかったのが悔やまれるが、 十分満喫。

あまりに景色が綺麗なので、ちゃんと一眼レフで写真が撮りたくなって、また山を 越えて宿を往復。 チャリの乗り心地が良いので気分がよい。 フィルム一本使って戻り、VIEQUES 島へのフェリー乗り場へ。 搭乗前、飲み物を買いにお店に行ったら、昨日ジープに乗せてくれたおじさん に会った。 昨日のお礼にビールをおごる。 なんだか安心したのは日本人ゆえか。 ~ VIEQUES島 へ ~ 1時間のフェリー代はたったの 2$ と格安。 道中、トビウオを良く見た。子供達が見つけては歓声をあげていた。 運がよければイルカも見れるようなので、窓の外に目を凝らしていたが、 しぶきに濡れただけだった。 ビエケス島は US の軍隊が多くの場所を占有していて、劣化ウラン弾を含む 実弾訓練が頻繁に行われ、島民に被害が及んでいたりする場所。 島のいたるところにアンチ US Navy の落書きがされていた。

18 時ごろ着。 フェリー乗り場には迷彩服を着た人が大量にいた。 さっそく夜光虫を見に行きたいので 反対側の海岸にいきたかった のだが、交通手段が良く分からない。 迷彩マンに聞いてみる。 彼はパブリコ(乗合タクシー)を紹介してくれた。 運転手は「乗りあう人が今はいないから探してか ら戻ってくる」と言って去るがいつまで待っても 帰ってこない。 フェリー乗り場は閑散としてきた。 最後の迷彩マンの集団へのお迎えバスが来たとき、 その中の一人が寄ってきて 「もうこの時間以降、ここにはタクシーも何も 来ないから街まで歩いてなんとか したほうがいい」と教えてくれた。 その後、悪戦苦闘の末にパブリコを捕まえて南に到着。
バスを待ちながら
ここでパブリコというのは、最初に乗った人が多めにお金を払い行き先を決定。 その後、道々で同じ方向を目指す人を拾ってゆき、その人は距離の応じて 適当な金を払うという制度のようだった。 南海岸に着くと、すぐに宿を取って、すぐに明日のダイビングと夜光虫ツアー を探しに。 この島にあるダイビングショップ2件のうち一軒は先週クローズ。もう一軒は 私の滞在予定日だけ丁度ダイブマスターが CULEBRA 島に行っているとのこと で休み。 カリブダイビングの第一目標は夢と散った。 シーズンオフの魅力も満喫したが、デメリットも十分受けた感じだ。 やはり、どうしてもやりたいことは事前に予約なりしておくべきだった。

VIEQUES の暮れ
~ 夜光虫に感動 ~ 気を取り直し、夜光虫ツアーへダッシュ。 着いて間もなすぎるので明日にしようかとも思ったが、明日何が起こって いけなくなるか分かったものではないという気になっていた。 光っている写真とりたいなと、闇に強いレンズと普段買わない ISO 800 の 高感度フィルムを用意してきたのだが、ツアーの趣旨でカメラは置いていって 自分の目に焼き付けろとのとのこと。 一行からブーイングが巻き起こる。 残念だけれどあきらめ。 参加者は 10名強。 レンタカー族の車に乗せてもらって、目的のベイまで。 辿り着いたのは、マングローブに囲まれた湾。 夜光虫で有名なため、Bio Bay とか Phsophorecent Bay とかいう愛称がある が、本名は Mosquite Bay。 名に恥じず蚊だらけで大変だった。 一帯は硫黄臭い。暗くてよく分からないが水は綺麗ではなさそう。 夜光虫のようなプランクトンが大量にいるのだから、栄養に富んだ水なのだろう。 ライフジャケットをつけ、カヤックで湾に出る。 水を触ってみるけれど、光ったかどうかは想像力の助けがないと分からない。 満月2日前と条件はかなり悪いので、そんなもんなのか・・・と思いながら、導か れるままに湾の真中へ。 岸を離れるにつれ、カヤックとオールの軌跡が黄緑に輝くのがはっきりしてきた。 月が雲に隠れると明白だ。 ちょっと興奮してきた。 ある地点まで行くと一団は停止。 泳ぎたい人は泳いでいいと言われ、半分強の人が飛び込んだ。 それは、本当に感動的な体験だった。 水を掻くと、手がオーラをまとったようになり、動いた軌跡が輝く。 手足を水中でばたばたさせると一帯が光に包まれる。 目の前で起こっていることが、この上なく現実的でない。 水中メガネを持ってきた自分を一通り褒め称えた後、おせっかいに他の人に 「これ着けたほうがいいよ」と押し付けた。 みんな夜光虫に夢中になって時間を忘れていた。 これは実に貴重な体験で、この島に来た甲斐もプエルトリコに来た甲斐も 満たされきった。

夜の海岸(やっぱ ISO 800 ともなると粒子が粗い・・・)
~ メキシカンな誘惑? ~ ツアーの一人参加者は私ともう一人だけ。 なので、生粋のフィラデルフィア人である彼(Dave)とはツアー中、自然とつるんだ。 ツアーから戻ると体が硫黄臭い。 宿に戻ってシャワーを浴び、夜ご飯を食べにバーへ。 そこくらいしか店が開いていなかった。 なので、食べていると Dave もそこにやってきた。 当然一緒にご飯を食べることになり、当然旅程の話になるのだけれど、今後の 予定が恐ろしいほど一致していることが判明したので、じゃあ一緒に行こうよ、 という話になった。 バーは色々な人がいて、我々に話し掛けてきたりした。 その中に、雑多な言語を操るメキシコ人の女性がいて、絡んできた。 どうも、自分が誘惑されているような態度と話だと感じた。 その気もなかったし、話しているうちに深夜になったので立ち去る機会を うかがっていたのだけれど、なかなかチャンスがなかった。 Dave がもう寝るよと言って去ったので、すぐに私もこの機会にと宿に戻る。 次の日に Dave は「彼女は君に興味を持って pick up しようとしていたんだよ。 私がいなくなって二人っきりになれると彼女は喜んだはずなのに」と言った。 これもラテンな出来事のように感じた。

宿ではイモリと共同生活
~ Day4 貿易風の波の下 ~ ダイビングが流れたので、この日はスノーケリングDay に決定。 島の界隈は夜が遅い分、朝が遅く、宿もダイビングショップも10時になっても オープンしない。辛抱強くオープンを待つ。 しかし、スノーケリングツアーも、風が強くて透明度が低いからと催行されない とのこと。 お勧めポイントを聞いて3点セットを借りて行った。 風で波もあり、ビーチによっては海草だらけということもあり、透明度1m。 メジャービーチでも人がほとんどいなかった。

ボディボードを楽しむ地元の人もいて、スノーケリングという感じではない
でも、宿の近くにある内湾のお勧めポイントにはさすがに魚がそこそこいて、 波に大きく揺れていた。 スコールが一日に何度も来る条件の割には透明度も悪くなくて、大きなトロピカル フグやロブスターなんかに遭えた。 宿にごはんを食べに戻ったら主人に「君に3つ言いたい事がある」と言われて ちょっとドキドキ。 荷物散らかし度はいつも通りなだけなのに。 「一つ目。君は泳ぎがうまい」と言われて力が抜けた。 泳いでいるのを見ていたらしい。 後の二つは一泊目の値段を間違えていたから2日目から値上げするぞということと、 「ここは日本とは違うから」荷物をビーチに置いておくのはやめたほうがいいという ことだった。 そこで、重要荷物は部屋に置いて、また違うポイントで泳ぐ。 しかし波があったからか、ちょっと乗り物酔い状態になってしまって退散。 退散時に偶然 Dave に再会。 人生で最初のスノーケリングを終えたとこらしかった。 私は今泳いでいたポイントは岩と波でエントリが難しかったけど面白かったよ、 と教えた。

エントリはちょっと危険
周囲を歩ける範囲でぶらつくも、手ごろに食事をするところも見つからず、 結局、宿でこの日最初で最後のご飯、ホットドッグセットにありついた。 食べていたら Dave が通りかかって「私にはエントリできなかった・・・」と 無念さを訴えて去っていった。

桟橋から夕日を眺める人々
夜、海岸でぼんやり月を見ていたら「今晩は月蝕があるぞ。22時からだ」と 通りがかりの人が教えてくれた。 いいチャンスなので、22 時からずーっと待っていたが、結局何も起こらな かった。 だまされたのか英語をちゃんと理解しなかったのかどっちだろうと思って寝た。 貿易風は夜にも収まることを知らなかった。

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