<前置き> 行ってきました 2度目の NY。3/21(金)~22(土) (読者対象が定まっておらず、文体も要求する予備知識もめちゃくちゃです。 確信犯ですが乞うご容赦) イラクへの攻撃開始の次の日だったので、会社からも週末旅行等を慎めという 通達があり、自分でもどうかなとは思ったものの、3日行く予定を念を入れて 2日にして結局決行。 平日の NY を見ることができる機会もそうないし、計画されている大規模反戦 デモも様子を見てみたい。緊張した街に身を置いてみたい。 テロリストの反米感情はこれからもずっと残りつづけるわけだから、戦争が終わろうとも、 危険度は下がらない・・・それなら、まだ警備の厳しい今のほうがましという判断もあった。 米国がこれまでの路線を相当変更して、イスラム圏との関係を政府同士で悪くない というレベルではなくて、過激なイスラム教徒の集団を刺激しないくらいの国に ならないと、テロの危険性は消えない。 再度(大量破壊兵器を'実際に'持ち、国連を無視した軍事行動を'実際に'繰り返 している)イスラエルへの追加の軍事、資金援助を公にしつつイラクへは攻撃、と いう不公平さが素人目にも鼻につく今日の流れからは、その日は程遠いように思われる。 今行かなければ次も行けない。だから今行く。 <テーマ>
・ 私の好きな映画「スモーク」の舞台となったブルックリンの煙草屋見学 ・ 美術館見物、 ・ 反戦デモ参加(歴史に巻き込まれる感の味わい)。 <計画>
一日目: 家 -(45min)-> Philadelphia の Chinatown -(bus 1:45min)-> New York 二日目: その逆一日目:2003年 3/21(金) 前回と同じく、チャイナタウン発のバスで行き、朝9時前到着。 第1テーマを果たすべく、マンハッタン島を脱出してさっそくブルックリンに。 16th Street と Prospect Park West の角にある郵便局を改装して作られたとの 情報をネットで見つけたので、最寄の 15th street 駅で降りるとすぐ目の前。 しかし・・・なんか映画の場所と違うような・・・。 しょうがないので、写真を適当に撮ってその辺をぶらつき、ベーグル食す。 (後日談:映画のジャケットと比べてみたら、確かにその場所の模様だった。映画を 見た印象で、もっとずっと大きい交差点とばかり思いこんでいた。印象は怖い ものだ)
左が撮った写真で右が映画のパッケージ写真。細部違うが同じ場所のように見える
近くの Prospect Park 探索。鳥とリスがやたら多い。大物はいないけれど、先週わざわざ 州を越えて行った野鳥観察用の国立公園より多いような気も・・・。 この辺は治安もよさそうでしたし、街にポリスはあまりいなかった。 が、公園内のサーカス小屋みたいな場所にはポリスがたくさん。
Prospect Park で寝ている(右隅)人
マンハッタンに戻って州裁判所 → 市庁舎 → ブルックリンブリッジ → グランドゼロと徘徊。 さすがにポリスが異常に多く、検問も多数。見渡せばいつもどこかにポリスか ポリスカーがありました。その数、2週間前の5倍の印象。4億$かけているだけある。 お陰で道がすぐ聞けた。さすがにポリスはすぐに教えてくれる。 ヘリも常時飛行。マスコミもたくさんだった。
ブルックリンブリッジ。渡るのはランナーと観光客ばかり
グランドゼロは現在、ターミナル駅等を作るべく工事中。周囲に弱いコンク リート臭が立ち込めているのは、工事中だからではなく、一年半前の残り香 のような気がする。周囲のビルが損傷を受けたままになっているのが生々しい。
工事進行中の上に切られた十字
金網のところには WTC の歴史みたいなパネルが貼ってある。 色々なメッセージが訪れた人によって書き込まれているが、破壊後のところ には写真ごとに「Why?」と書かれていた。 テロが NY の WTC に対して行われた理由は、手段も含めて想像ができる。 もしこの Why? が反米感情の存在理由がわからないということから書かれてい るのならば(なんとなくそんな気がする)、少しの努力で答えに巡り合える。 しかし、テロに働いたすべての意図と計画が明らかになろうとどうしても残る Why? がある。 それは、攻撃対象になったものが米国の象徴という抽象的なものであった のに対し、犠牲者は具体的な個々人であるという狭間から生まれる。 その人が/自分が そこに いた/いなかった 理由。信条も無関係に。 いくら宗教が答えを出そうと、より原初の問いかけとしてこの Why? は人の心に発生 してしまうのではないかと思う。 抽象化して考えるならば、2800 人の犠牲者と経済的損失など、米国がこれまで 外で自己利益のための戦争で殺してきた人の数と破壊した生活の数を考えれば 微々たるもので、小さすぎる報いと言うこともできるだろう。 しかし、実際に破壊のあった現場を見ると、それだけではすまない何かをやはり 感じざるを得ない。 (逆に米国人がリアルなパレスチナを見ていれば・・・イラクを見れば・・・とも思う)。 グラウンドゼロを周るようにして WFC(ファイナンシャルセンター)を抜け、 ベイエリア → ウォールストリートへ。ここもポリス&マスコミだらけ。
ベイエリアから自由の女神。霞んでいる。
→ 一瞬買い物に興じて宿にチェックイン → 各種イベント当日券割引販売所に 行ったらニューヨークフィルのチケットが半額(で$40)だったのでさっそく購入。 本当は Rostropovich 指揮、ピアノ Argerich のプログラムだったのだけれど、 一週間ほど前にソリストがよく知らない人に変更されていたので予約購入して なかった。 時間があったので渦中の(?)国連を拝もうと歩いてみるが、すでにクローズ。 PM 6:00。物理的な暗さがなんとなくこの機関のお暗い現状を象徴している感じ。 歩いていると、いきなり雷が近くに落ちて仰天。 爆弾でも?! と思わせるに十分で、可愛そうにサイクリング旅行の人が驚いてこけた。 その後雨と雷がしばらく続いた。
雲低くビル高き春
ニューヨークフィルの本拠地はリンカーンセンターにある。 かの有名なジュリアード音楽院のすぐ近く。 曲は高~中弦抜きのオーケストラ編成だったりの近~現代曲が多かった。 ここのオーケストラもさすがにうまい。 よくも難しい現代曲群をあそこまで合わせるものだと関心。 しかしなによりこのホール。すごく音響が良い。すべての楽器がクリアに響く。 金管~打楽器がウィーンフィルよりベルリンフィルよりよい!と思ったのは このホールのせいかもしれない。
(ぶれて確認困難だが)こんな構成の合奏ははじめてみた。写真はロストロポービチが常任指揮のマゼルを引きずり出してきたところ
しかし、曲目のせいか演奏途中退場者がやたら多かった。 楽章間の拍手も多く、あまりクラシック馴れしていない客が多かったのかも。 Argerich がなんで出演できなかったのかを隣の人に聞いてみたけれど、知らない と言われた。 荷物預かりでは、場所によってチップを要求されたりされなかったり(誰も払っていない) するのだけれど、どう判別してよいのか分からない。周囲の人を観察するしかないのか。 ちなみにここは後者。
NY フィルのパンフレットの表紙の五嶋みどり・・・ちょっと貞子ばりで怖い
終了 22:20。地下鉄大混雑。タイムズスクエアはさすがに人が大量。 しかしこの2日間は街中、人間が多かった。 平日金曜日と反戦デモがあったことが理由なのか、2週間前の日曜日より平均 5倍の密度で人間がいた。 人通りのそんなに多くない場所、特に夜の印象は本当に同じ場所なのか信じられない くらいの違い。 これを最初に見ていたら「一人夜歩き問題なーし!」と周りに触れ込みまくって いたと思う。 2週間前は寒かったからかもしれない。 当時の気温は今日より 15℃くらい低く、確かに行動意欲をそがれた。 相当歩き回ったのに、顧みれば今日は朝のベーグルとおやつのスコーン一つずつしか食べてない。 手軽に食べそうな場所は見渡してもマクドナルドしか見つからない。 いよいよ米国マクドの初体験の時期が来たかと万感の想いで入場。ビッグマックを注文。 しかしこれは予想を裏切りそんなにビッグではなかくて肩透かし。 でも、日本のよりずっとうまかった。 自分の胃袋が昔より縮んだ分だけ満腹度は高かった気がする。 宿のホステルは4人の雑魚寝部屋。ロケーション以外は最低レベルで 33$。 共有スペースに地球の歩き方 NY 編が置いてあったので手にしてみる。 意外に熱中。この本、めちゃくちゃ使える。 0時過ぎに布団に入るも、他にはまだ1人しか寝ていない。 あと2回起こされるなという想いがしばらく自分を眠らせない。 あるいは、テロ危険度の高い NY で夜を過ごすことの不安からかもしれない。 結局1度軽く起こされて朝が来た。二日目に飛ぶ