二日目:11/4 (日)
パン2切れとココア飲んで出発。バターうまい。 宿を一歩出るとすごい霧。昨日の山々はまったく見えず。 「ここは長野」と言われてもウソつけと言い返せない勢いで何も見えない。 まあしかし、行くしかない。 ラブコールを送っていた 7:35 の電車に乗って登山の拠点、グリンデルワルドへ。 霧は電車に乗って20分で嘘のように引いた。恐ろしいくらいの変化だった。 アルプス行ったらこんなものが見れるのかなーと思い描いていた、そのままの景色。 待たされた分も加わって感動倍増。 もう長野とは言わせない。一気に空気は冴え渡り、とうとうご対面のアルプス。
しかし、駅で降りてやっと、何をするかを全然決めてなかったことを思い出した。 この季節に何ができるのかも不明だ。 とりあえず駅を出たら歩いてインフォメーションセンターを探せばいいや、と思って 進むが、見つけたところはみんな閉まっていた。 スキーと夏登山の合間。シーズンオフうらめし。 思えば、20人くらい一緒に乗ってたはずの乗客は見渡してもいない。 駅に戻ってみるとみんな小さな電車に乗り換えていた。 駅員に尋ねると、それはユングフラウというヨーロッパ一高い山の上まで連れて っていってくれるという夢のような電車というではありませんか。 「そりゃいい、チケット買ってくる」って言ってシーズンオフ割引で 8500円という 高い切符を買って戻ると駅員電車のドア閉めとる。 曰く「Too late, wait for next train.」 そして次は一時間後とのこと。 こりゃ一本とられましたわ・・・じゃなくて事情知ってるなら10秒待ってくれたって ええやろ!とも思ったけれど時間どおりの運行だからしょうがない。 何もない駅で一時間も待てん。よって切符払い戻して適当に歩くことにした。 ちょっと歩くとゴンドラ発見。窓口の人に聞くと、乗るとハイキングコースにたどり つけるとのこと。それは私の追い求めていたものではありませんか。 登山電車は年老いてからも乗れるし、歩き嫌いの友達とでも行けるし。 この季節でも歩けるのか聞くと、一番上まで行かなきゃ大丈夫と言われたので、さっ そく出発。ハイキング中。小さな湖。グリーンの湖水。あの宝石(名前知らん)のように綺麗
これがまたすばらしい景色の連続。 突き抜けるような青空。 突き抜け度はシドニーで見たのと並んでいたけれど、空気が冷たい分のピリッとした張 り詰め感が一枚上。空の音が聞こえてきそう。 上空を飛ぶ飛行機は必ず後ろに雲を残していた。逆光にも負けぬ
夏ならきっと人だらけの素晴らしいコースだけれど、見渡す限り誰もいない。 初めて人に会ったのはこの写真の湖で。 ここが折り返し地点で、ゴンドラ乗り場の人がここで下りに入れと言わったところ。 彼は数え切れないほどここに来たことがあると言った。 どこがお勧めコースか聞くと、彼は山の頂上に行くのを勧めた。 「天気が非常によくて雪も溶けているし、大丈夫。来週からは雪山装備が必要になるけどね。」 行くしかなかろう。 彼自身はそこで下っていった。やばいくらいにフィルム使った。
ここでは日陰と日向の違いはあまりにはっきりしている。 かたや雪が凍りかけており、かたや草の上に寝転べる。 そこから頂上を目指すと途中で初めて日陰ゾーンに入った。 服装はズボンも靴も会社に履いていっているもの。 足になじんだものが一番、の哲学があるにせよ、山なめすぎ極まるの感あり。 雪ですべるしぬれて冷たくなってくる。 ここで派手に滑ったら死去的なポイントもあって引き返したほうがいい雰囲気も。 しかし、下りは更にこわそう。 頂上は日向で、そこから日向ルートで帰れそうだから、行けばなんとかなる だろう と信じて続行。 喉が渇いて初めてなんの水分も持ってきていないことに気づいた。 雪食べても大丈夫か検討してやめた。 朝に食べたのがパン2切れのみというのも少し効いてきた。 ふと、昨日宿のお兄さんが小さなスイスチョコを二つくれたのを思い出した。 かばんの奥から取り出して食べたそのチョコのおいしいこと。 教訓:山いくならそれなりに備えろ 諺:空腹は(略)頂上間際。ここで後ろでんぐり帰りをすれば半回転したところで奈落へ
日向ゾーンに出た。帰りのコースはずっと日向っぽい。やった。 頂上間際で別ルートで来たドイツ人に会って、写真を撮ってもらった。 日本から来たというと「TSUKUBA を知ってるよ」と返す。 彼が科学者だということが一発で判明。頂上からの景色
頂上についた。FAULHORN、標高 2681 m。 360度のパノラマ。頂上の北は柵なしで絶壁。 頂上、二人占め。南にアルプス。北に紅葉と湖と街。
やがて、一人に。 この景色。 山に登る理由は「そこに山があるから」じゃないだろう ・・・なんて想っている自分に酔いつつも帰りのバスの時間は気になります。さらば。帰りのコースは暖かかった
異常に静かだ。自分の足音と風を切る音だけが聞こえてくる。 立ち止まり、風に平行に体を置くと、雪の溶ける音がかろうじて聞こえるのみ。 やまびこ実験をすると、はるか下の集落の人全員が聞いてしまうのではないかという 感じでためらわれる。 ふと、携帯電話の着信音楽を流してみたくなった。 矩形波そのままの無機質音も、場所によっては宇宙的に聞こえる。下るに従って生物界が変化する
帰りは標準の道を無視してどこを歩いても帰れそうな草原と岩の世界。 虫の鳴き声も聞こえ始める。蝶も飛び始める。 気持ちがよいので何度も道をそれ、山羊の糞を避けてごろ寝。 いい具合に下り、バス停へ。 体力的にはそれほどきつくない。 最高のハイキングだった。 予定より早かったのだけれど、もう満腹なので駅に向かいそのまま帰路へ。 早い分、どこかで途中下車をしてみようと思い。列車から。紅葉がすごかった。
行きは見れなかった車窓風景(山、木々、川、湖)は飽きが来ない。日暮れ前に乗って大正解。列車から2。線路のすぐ横が湖。水蒸気が沈む
首都ベルンで乗り継ぎの列車だったので、ちょうどよいから降りてみた。公園から。彼方にアルプス
街並みが世界文化遺産に登録されているだけのことはあり、古風で美しい。 ちょっと歩くと見晴らしのいい公園へ。 遠くのアルプスが夕日に照らされてこれまたいい感じ。 並んだベンチ毎にカップルがいるのは全世界のお約束事。中世的な建物
一時間ちょいの滞在だけれど、概要だけ見るのに向いている街っぽかった。街頭でピアノを弾いている人がいた(左の方) 17:49 分発の電車で帰路。3回の乗換えで22:00 頃到着。 帰りはパスポートチェックなし。 Bern -> Basel SBB -> Karlsruhe -> Neulusheim 充実した週末だったとルンルンで最寄の駅に到着。 駅を一歩出れば真っ暗。 駐車場には見るからにやばめな人々がいてたむろしていてちょっと怖い。 停めていた車に乗ると・・・動かない。 ハンドブレーキ? でもない。 ちょっと動かして原因が分かり、外に出て確認。 タイヤがパンクしていた。 4つともなので、パンクさせられていたというのが正しい。 このことの事後処理は色々と大変でした。 その中で影と光を見た気がします。 おわり
参考として <予算> 一泊二日で4万円くらい使用。 交通費:すべて2等車で列車が25000 円くらい。 ゴンドラ、バス、遊覧船を足して 6000円くらい。 宿 3500円、飯 2000円くらい、駅のトイレ代 80円、その他もろもろ。 列車代が高かった。 これなら格安チケットでイギリスに飛べる。 列車好きならBahnCard (270DM で一年国内移動半額)は買っておくべき(後悔)。 ドイツ人で正規料金で列車に乗る人は見受けられなかったです。 また、今回は最低の宿と飯内容(レストラン回数ゼロ)なので、普通はもっと お金がかかります。 駅でコーラの500mlペットボトルが250円くらいしてました。本当に物価高い。 でも、景色の美しさはピカイチなのでスイスお勧め。 脚に自信があれば一泊二日でかなり楽しめます。戻る