プラハ二日目

朝起きてホテルのご飯。
やや質素なノーマルビュッフェ。
チェコで飲むコーヒーはいまいちということの再確認。

ホテルを後にし、スーパーでおみやげを見繕い、一旦駅へ行って荷物を預ける。
普通のコインロッカーと人間を通して預ける場所とがある。
ロッカーに荷物を入れようとしていると、バックパッカーが寄ってきてロッカーは
やばいと警告してくれた。
なので、預かり所に預けた。預け料は一日 50円ほど。

一応昨日なくしたガイドブックが届いてないか確認しに行ったが、やはり見つからなかったようだ。

駅を後にして、駅の東側へ。
そこにある、街の中で明らかに浮いている無機質デザインの高い塔が気になっていたので、
行ってみることにしたのだ。
途中、大きくはない競技場のようなところにに人がわんさかおしかけているのを見た。
警官が多数いたので、デモか何かかと思ったが、どうやらサッカーの試合のようだ。
確か、チェコもサッカー盛んだったか。

そして塔のふもとへ。
それはプラハタワーという名前だった。ひねりゼロ。

プラハタワー
この建築物はプラハで半端じゃなく浮いている。 柱についた赤ん坊の像が謎。肉まんのような顔がついていて不気味。 これを見た二人に一人は彼らにカンチョウをお見舞いしたい欲求にかられるだろう。 私もその一人だった。 上が煙突のように見えたので、ごみ焼却場かなにかだと思っていたが、テレビ塔のようだ。 そういえば煙は出ていないし、そもそも煙突に観覧所はないか。 登ることができたので、登ってみた。

ガラスが反射しているが、プラハタワーからの景色
下から見ていいものが上から見て悪いはずがない。夜ならなお綺麗そうだ。 六甲から見る夜景とどちらがすごいだろう。 塔を降り、駅の南の博物館まで地下鉄で行ってみることにした。

地下鉄のエスカレーター。深い。
地下鉄のエスカレーターは知る限り世界一速かった。シンガポールも負け。 深さに比例してるのかも。 地下鉄の車両には落書きなどされていて、噂に聞くように治安は悪そう。 ちょっとかかわりたくなさそうな人々も見た。 博物館は、内装も外装も綺麗で広い。 何の博物館かはよく分からず、とりあえず大きなダイヤモンドがあること 知らなかった。 中は広く、鉱物と動物の剥製(おそらく)と化石が大量に、ほんとに大量に あった。理系にはたまらん内容だが、ちょっと量で責め過ぎかもしれない。 ドイツ料理のようだ。 そんな中で、僕は 化石 -> 昔、好きで探しに行ったりしてた -> 母方の祖父の影響だ -> その祖父の手術がもうすぐだな -> そういえば正月・・・(以下略) などと連想ゲームをしていた。 昼はチェコ料理にこだわる必要もないかということで、トルコ料理。 ケバブを食す。 ケバブは串に刺さって回っている羊の肉を削って、野菜と一緒にパンで挟んで 食べる、ドイツでよくみるファーストフード。 「ケバブはドイツのトルコ人が作ったものだからあれはドイツ料理だ。トルコで 同じものは食べれない」と、とあるドイツ人は言っていた。 真意は定かでないが、とにかくそれはめちゃくちゃうまい。 ここで食べたものも、本場(仮)ドイツのものには劣ったがうまかった。 次に、街の中心部の河をクルージングするツアーに参加してみた。

船から。白鳥に餌をやる人々
この河には白鳥がいるが、よく人に慣れていて、餌に釣られて岸まで上がって くる。 白鳥というと、チャイコフスキーの白鳥の湖、サンサーンスの白鳥、シベリウスの トゥオネラの白鳥、シューベルトの白鳥の歌、などと共に優雅で孤高なイメージを 持ちたい人なので、壊さぬようにこの風景に目をつぶることにした。

船から2。飛行機雲が好きな私
3時にはもう夕方ムード。とにかく寒い。 河から見る景色も綺麗だが、もう綺麗に慣れきってしまったのが怖い。 そういえばケバブの感動も最近いまいちかも。 94歳のおばあさんも参加していて、こんな寒い中旅行する気力のあるのに びっくり。これは一つの目標だ。 中心の広場にてツアーが終わると4時半。すでに夜の範疇かも。 そこで夜のコンサートのチケットを確保し(もちろん学生料金で400KC -> 300KC = 950円)、 その辺を周回。 一週間ほど前から食事する回数だけお腹を壊すというやばい胃腸情勢だったが、この 日もこの時間になってやられた。

回転木馬だと思って近づくと回っていたのは本当のロバだった
広場にはロバの他、羊、山羊(やぎ)なんかがいて、子供の人気を集めていた。 しかし、羊を見るたびに思うのだが、どこからどうみても弱そうで、守ってあげたく なるタイプだ。 ちなみにミミズも弱いが守ってあげたくはない。差別の発生源だ。 さて、コンサートまで微妙な時間。 そこで、拷問博物館なるものに行ってみた。 かなり痛そうな器具が勢ぞろいの博物館。 これはやばいぞ!人間よ!神よ! と誰もが思うであろう品々。 自分的に一番アウトだったのは逆さずりにして股からのこぎりで人間を切って しまうというもの。次点はお尻から口まで串刺し。 ホラー映画は怖くないけどこの博物館はリアルだから怖い。夢に出そう。 これに比べりゃ、ギロチンは慈悲の器具、首狩り族は神の使いですわ。 コンサートまでまだ少しだけ時間があった。 そこで、急性 夜の橋からお城、という景色どうしても見たい病 に犯された私は連れ (もっといい単語が見つからなかった)の意向を無視して吸い寄せられる。 ライトアップされた城は予想の範囲で綺麗だった。 しかしデジカメ写真は綺麗でなかった。よって割愛。 普通のカメラで撮ったやつは美しいに違いない。 コンサート会場は昼に行った博物館。 30分ほど歩いて到着。 どこかの大部屋でコンサートが開かれるのかと思っていたらこれがびっくり。 入ってすぐの階段に聴衆が座っていた。

博物館の階段の交差点でコンサート
弦楽四重奏+チェンバロ+バイオリンソリストという編成で、カルテットの有名 な曲集とビバルディの四季(実はバイオリン協奏曲)という親しみやすいプログ ラム。 お客さんもみんな「観光ついでにきてみた」雰囲気の人が多く、和んだ空気がな かなか居心地がよい。 でも、演奏中に客がしゃべったりフラッシュ写真撮ったり歩き回ったりというの は、演奏者としてはどうなのだろう・・・ともかく、演奏はうまかった。 特に四重奏団部分は息が合っており、おそらくこれまでに何度もこれらの曲を共に 演奏した経験があるのだろうと思わせる。 コンサートの後半、連れが駅の荷物預かりのクロージングタイムが気になると 言い始めた。 そういえば営業時間の確認をしていなかった。 今が 19 時過ぎなので、18 時までの営業だとまずい。 ただ、次に閉まる可能性のありそうな 20時までは時間があるし、18時で閉まって たら今更急いでも意味ないし、出発の 22時までにはなんとかなるに決まってると思 ったので、僕はコンサートが終わるまで落ち着ききっていた。 メインの曲が終わる。 拍手も、かしこまったクラシックコンサートでのお約束のようにクソ長くは続かず、 淡白なものなので、すぐにアンコールをしてくれた。 終わってから、連れ的な非常事態度数と自分の中のそれが大きく違うことが分かった。 明日の日本までの航空券が荷物に入っているからというのもあるだろうが、逆の 立場でも同じだったと思う。 駅まで走った。 寒かったので、歩くより快適だったかもしれない。 つくと、まだ開いていた。聞くと、24 時間営業らしい。めでたしめでたしだ。 僕はよく外国での行動が無防備でお気楽だと言われる。 大概のことはなんとかなってしまうと思っているので、安全とかよりも最大楽し めそうな道を求めてしまうところにもよるし、単に鈍感だというところもまたある。 一人旅だとよいけれど、複数になるとこの点について自覚していないといけない なと思った次第でした。 ともかくも荷物を確保し、安心したところで元祖バドワイザを駅のお店で購入し、 運動の後の一杯。 日本で飲めるバドワイザ―は嫌いだが、こちらはその味を少し濃厚にした感じで うまかった。 その後、食事を求めて適当なレストランへ。 旅も終盤、チェコのお金があまりそうな気配だったので、この店で最大限の贅沢を しようと決意。 まずは一番高いドリンクメニュー、一杯、500円くらいもするシャンパンを頼む ・・・はずだったが、これは瓶の値段だった。 結局、食べまくって飲みまくって二人で 1000 円くらい。安すぎる・・・。 余ったお金でチェコワインを値段で選んで買って帰った。 帰りの夜行は、二人部屋。 洗面所つき、布団も六人部屋のものよりまともなところだった。 飲み会で夜更かしした上に、部屋が暑かったのと、途中で4回起こされたのとで あまり眠れなかった。 4回のうちの2回はパスポートチェック、2回は怪しげな人物によるもの。 夜中、微かな光の気配を感じて目を覚ますと、開きかけのドアから部屋の中を懐 中電灯で探る何者か。おっかしいなーと思ってしばらく観察していたが怪しいの で起きた。目が合うとその人はドアを閉めて行ってしまった。 ちょっとしたらまたドアが開いた。 もう一度、今度はすぐに起きるとまたドアを閉めて行ってしまった。 そういや、パスポートチェックされた後、鍵閉めてないなあとその時点でやっと 思い起こして、閉める。(確かに自分は警戒心が薄過ぎだ) 彼が見回りか部屋を間違えた人か泥棒未遂かは不明。 そんなこんなであまり眠れずにハイデルベルグに到着。 そこから連れは空港へ、僕は会社へ。 この日の眠気との死闘図は、拷問博物館に展示可能と思われるほどだった。 おわり


<まとめ> プラハ最高。 街が綺麗、コンサートよりどりみどり、物価安いと3拍子揃ってます。 なるほどこれは皆が勧めるわけだ。 次の日には自分も人にプラハを勧めてました。 観光客がより増えて、物価も上がってゆくこと必死なので、早めのご来訪を お勧め致します。 <安くあげるために> プラハでお金を使うのは宿です。 特に夏に行く人は宿不足で宿代も上がっているはずなので、街から少し離れた 宿を見つけるとよいと思われます。 多分、駅で宿の勧誘してくる人はそこそこ安くて、でもちょっと不便な場所を提供 してくれます(保証はなし)。 後は、常識だけれど二人行動。 宿はどこでもそうですが、交通費も安くなりがちなヨーロッパでは、二人で行動 する経済的メリットは大きいです。 宿、交通の一人当たりの負担はこれで結構減ります。 <考えたこと> 久々の非一人旅だったので、自分が一人旅を好んできた理由を認識するいい機会 でした。 まず、今、思いつくところによる一人、複数旅のメリットを列挙してみます。 >一人旅のメリット。 ( -> は僕が特に気にするところ) ・ 自分の好きに時間が使える -> 興味ポイントが人と違いがち、無理なスケジューリングでも大丈夫、臨機応変の 予定変更が即時可能。 -> 複数人の旅の場合、行動速度、体力のボトルネックに合わさなければならない。 1人のトラブルに全体が巻き込まれる。 ・ 宿、交通手段、食事などを自分の一存で決められる -> ぼろ宿、徒歩一時間、3食街角のパン(時に食事抜き)、に喜んで付き合って くれる人は少ない。 ・ 考える時間がたっぷり -> 同行人のことを考える時間、しゃべる時間が増える分、旅に没頭できない。 ・ 浸れる時間がたっぷり -> 同行者がいるとやはり日常(日本の生活、言語など)を引きずってしまう。 ・ 旅先で出会う人との交流が起こりやすい >複数人旅のメリット ・ 安心、安全 ・ 感動を分かち合える ・ 自分とは違う感じ方を知ることができる。 ・ 相手を深く知ることができる。 ・ 経済的メリット ・(そしてなにより)よき連れといること自体、楽しい。 自分の場合、このメリットを比べたときに前者のものの方が強かったのでした。 旅に求めるものの特殊さと類稀なるマイペースさにより、とても。 でも、一人旅(行)も短い期間にそこそこの回数が重なると、マンネリ化します。 旅も慣れると旅でなくて日常のようになって、得るものも感動も薄くなってゆきます。 このごろは、そんな感じがやや強い。 そして、人のことを考えてマイペースを崩せるようにならねばという課題もあり、今は 複数人旅を求めている時期のように思いもしているのでした。 まあ、行く場所と行く相手に依存すること山の如しです。 相手と自分次第で両方のメリットを包含したものに近い形で受け取ることも可能ですし。 ~お年頃の今日この頃思うことコーナー 「パートナーとして考える人と婚前に長期旅行ってのはよいかも」 旅は選択の連続によって作られるので、相手の価値観が見え易いし、色々な体験を するので、感性もまた見えます。 また、旅の途中では、まず間違いなくどちらかが不満を感じるシーンが出るので、 その際にどういう反応をするか、どうやって折衷するか(あるいはできないか)、 という共に暮らす上で重要なポイントも体験が可能です。 お互いの価値観や感性が完全にぴったり合うということは理想化された想像の世界 (高校生の恋愛初期)でしか有り得ないので、「合わなかった時どうなるか?」 は確認しておきたいところです。 少なくとも僕にとってはかなり重要。 感性の違いとかは彩りになりますが、折衷(⊃話し合い)ができないのは悲惨。 それにしてもまとまりのない文章ですみません。
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